- Book Box - 本は宝箱。

SF・幻想文学多めの読書感想サイトです。基本好きな本しか感想書かないので、書いてある本はすべてオススメです。うまくいかない時ほど読書量がふえるという闇の傾向があります。それでも基本読書はたのしい。つれづれと書いていきます。

書評『マンガ版ちょっとだけこっそり素早く言い返す技術』ゆうきゆう著~人生の真理がここにある!かわいい猫ちゃんのイラストとは裏腹に、かかれている内容は人間関係に必須。しかも「あ~、それよくあるっ!」て心当たりのある数々。これは是非こどもに読ませたくなる。珠玉の叡知!

例えばあなたは職場で、学校で、家庭で、だれかに嫌なことを言われて、 「あ~、イライラする!あのときこう言ってやれば良かったなあ」なんて思うことはありませんか? 私はしょっちゅうあります! 言われたその場では、ずいぶんおかしなことを言っているな…

書評『科学的にラクして達成する方法』永谷研一著 ほんとうの三日坊主の治し方。

三日坊主は治せる。 そんなことを言われたらあなたはすぐに信じられるだろうか。 明日からダイエットするぞ! 明日から毎日一時間勉強するぞ! 明日から早起きするぞ! そんな決意をわたしたちは一体なんど繰り返してきただろう。 ご多分にもれず私も同じ。…

書評『ノア・ノア〜タヒチ紀行』ゴーギャン著 書かれているが、書かれていない。書かれていないが、書かれている。

素晴らしく薄い本だ。 「これは紛れもなく、旅本だな。」そんな気がして、ジーパンの尻ポケットに入れて先月一人、長野県上高地へ旅行に行った。大正池の脇の遊歩道をぶらぶら歩いていると、目の前を流れる大正池の澄んだ水が、本の中の小川と重なり合う。 …

書評『一個人 落語入門』〜落語の国のハリー・ポッター

落語とは、つまるところ一人芝居だ。 すべての登場人物を、噺家はたった一人で演じ分ける。 ひとつの物語に主人公と、主要人物2~3人。 その他ゆかいな脇役たちが数名。多くて10名ほどの 人物を15分から30分くらいの間で演じ分けることになる。 噺家の…

R3.6.25 yama『versus the night 0.0』を見て、甚く感動した話。

歌手のYamaさんがたった今、YouTubeでライヴの無料配信をされていた。 素晴らしかった。ほんとうに素晴らしかった。 歌のうまさと声の良さが他のどの歌手よりも 頭抜けている。もはやもう神ですか。貴女は。 胸になにかをつめこまれてしまったようだ。 そし…

書評『家霊』岡本かの子著 かの子一平ときどき太郎

家霊 (ハルキ文庫) [ 岡本かの子 ] こと文章を書くことにかけては、岡本さんちの真の天才はかの子である。 夫である一平の力の抜けたイラストに妙に愛きょうのある文章も好きだし、子供、岡本太郎の唯我独尊的思想にもしびれるが、底なし沼のような深さは…

感想『三国志』横山光輝著〜怒涛の一気読み60巻。夢の中で天才軍師になるの巻。

12歳・夏 田舎のおじさんから送られてきたダンボールの中に、横山光輝の『三国志』がドサッと入っていた。数日おきにパラパラしてるうちにあれよあれよとトリコになったが、37巻までしか入っていなかったので、貯金を切り崩し、急きょ残りの巻(全60巻…

書評『眩暈』エリアス=カネッティ著 この本はあなたにとって一生忘れられない頭おかしい小説となるでしょう。

【送料無料】 眩暈 / エリアス・カネッティ 【本】 徹底して、頭のおかしな人物しか出てこない。この点カネッティはまるで容赦がない。このように病的に狂った物語を、たかだか二十六歳のときに書き上げたのはとても怖いことだ。何をどう感じ、どう考えたり…

感想『世界文学全集 短編コレクションⅠ』〜コルタサルお誕生日おめでとう。あなたの『南部高速道路』は素晴らしすぎる。

人と本とが出会うとき、多くの場合はすれ違いに終わる。 書店の棚から手に取ってみてパラパラめくり、そのまま棚に戻す。大抵の場合は、装丁が美しいだとか贔屓の作家だとか、書名のインパクトだとか、なんだかわからないけれどぶ厚いだとかそんなことが私た…

書評『死の家の記録』ドストエフスキー著 ああドスト、あなたはどうしてドストなの?

死の家の記録 (光文社古典新訳文庫) [ フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス ] たった一人。 もし無人島に漂着するのであればわたしの懐にたまたま入っていて欲しいと思うのは今のところぶっちぎりで本書なのです。理由はあとで述べるとして、まず著…

感想『罪と罰(1・2・3)』ドストエフスキー著〜人という音楽が爆音で流れている。

ドストエフスキーは『カラマーゾフの兄弟』が最も有名だが、個人的には本書『罪と罰』の方が圧倒的に面白い。それはもう、小説史上NO5には入るであろうと、独断で太鼓判を押したくなる面白さだ。 そもそも長い小説だが、ドスト特有の冗長さが本書にはない。…

千の目でみる千の光『旅の絵本』安野光雅

旅の絵本 (日本傑作絵本シリーズ) [ 安野光雅 ]楽天で購入 その土地の「光」を見ることを「観る・光」、「観光」と言います。 ・・・と、先日浅草演芸ホールで柳家さん喬師匠が言ってましたが、 本当にその通りだなあと、旅に出るたび思います。 本書はま…

妄想 in the world 『ゴッドハルト鉄道』多和田葉子

ゴットハルト鉄道 (講談社文芸文庫) [ 多和田 葉子 ]楽天で購入失礼。余談から入らせていただきます。 ひそやかな趣味とは良いもので、誰にも迷惑かけずに楽しめるものの最たるものは妄想である。 私も数年来、たしなむ程度に楽しんできた。あれは社会人に…

感想『無職ときどきハイボール』酒村ゆっけ著〜ネオニート、酒テロリストなる彼女は一体何者なのか。可愛らしい外見とは裏腹に、底知れぬ破天荒と軽やかな文才が垣間見える。登録者数40万人の人気ユーチューバである著者初となる、最低かつ最高な酒と食の沼エッセイ。

ずるぽんずるぽん。おいじーーーーー!!! なぞの手書き文字がおどっている。 なんだか疲れ果て、もうなにもできないけどせめてじぶんにご褒美を、とおもって立ちよった書店。 平台につまれていたこの本を手にとり、ページをめくって目にしたものがこれだっ…