2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧
トレヴァーの小説は、物悲しいと同時に美しい。そして常に変わらず誠実である。 〜サンフランシスコ・クロニクル紙 ウィリアム・トレヴァーについて。 〜1928年アイルランドのコーク州にて生まれる。アイルランドの最高学府トリニティ・カレッジ・ダブリ…
未来少年ではない。見ためは子ども、中身は大人の名探偵でもない。コナン三兄弟の長男凶悪マッチョ戦士のコナンである。 なんたら洋画劇場(TV・再放送)で何度となく見たアーノルド・シュワルツェネッガー主演『コナン・ザ・グレート』の原作。な、な、懐か…
あなたの人生の物語 『あなたの人生の物語』 突飛な状況に現実感を持たすため物理学?系の説明があまりに過多で、理解できない箇所も多かったのだが、その反面主人公が自分の娘に対して語りかける並行部分の文章の方は、埋め合わせのように情感に満ち満ちて…
〜劉慈欣について。 1963年山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短編を執筆。『三体』が2006年から中国のSF雑誌〈科幻世界〉に連載され、2008年に単行本として刊行されると、人気が爆発。アジア人作家として初めてSF最大…
『傷跡』を読んでまず目を引かれるのは、いずれの登場人物もどこかしら【変】だということだ。彼らはみな常識的な規範から少しずつ(あるいはかなり)ズレている。このズレはなんの変哲もない日常的な光景を〈異化〉することによって、読者の脳裏に忘れがた…
結論からいいますと、 無料体験どころか、月500円(年会費だと4,900円でお得)払ってもメリットいっぱいで、今までの生活が革命的に変わります。少しでも迷っているなら絶対やったほうがいいです。楽しみ方がいっぱい(読み放題だけじゃない)!そし…
冒頭。ブリヒダという老婆が死んだことについて、何の断りもなく大勢の人間が現れて、入れ替わり立ち代わり喋っている。 しばらくして、ベニータという名のシスターが、一人の男に自転車を運ぶよう指示をだす。ムディートと呼ばれているその男は聾唖者であり…
1行から4行ほどの文章で、一つの物語が始まり、完結する。文字数が少ないので、つかわれる一文字一文字の硬度は高くなり、ひとつの文節が持つイメージ量は必然それなりの大きさが必要となってくる。足りない情報は、読者が勝手にイメージすることで埋め、…
文学こそがすべてなのだ、最も偉大な、最も非道な、運命的なもの。そしてそうと知った以上、他になすべきことはなかった。 上記は、『悲しみよこんにちは』で19歳にして時の人となるフランソワーズ・サガンの言葉。 彼女はランボー詩集『イリュミナシオン』…