- Book Box - 本は宝箱。

SF・幻想文学多めの読書感想サイトです。基本好きな本しか感想書かないので、書いてある本はすべてオススメです。うまくいかない時ほど読書量がふえるという闇の傾向があります。それでも基本読書はたのしい。つれづれと書いていきます。

SF

感想『プロジェクト・ヘイル・メアリー 上』アンディ・ウィアー著〜地球の終わりを救うため、全世界が協力してはなつ起死回生の一手プロジェクト・ヘイル・メアリー。たった一人でミッションをになうライランド・グレースは、記憶を失い自分の名前すら思い出せない。ビル・ゲイツ、オバマ元大統領推薦!Amazon年間ベストブック選出の本書はライアン・ゴズリング主演で映画化も決定している。

本書の著者アンディ・ウィアーは、初めて書いた小説『火星の人』が世界的なベストセラーとなり、2015年にはマット・デイモン主演で映画化(映画化名オデッセイ)もされ、こちらまた大ヒットとなっている。 本書『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はそん…

感想『氷』アンナ・カヴァン著〜地球が氷におおわれてゆく終末の世界で、男は少女を追って狂気の旅を続ける。

世界が氷に覆われていく終末の世界で、男はそんなことにはお構いなく、ただひたすら少女を追いかけます。美しく、狂おしいヒリヒリした物語です。

感想『あなたの人生の物語』テッド・チャン著〜なんて素晴らしいタイトル。作品名だけで多分面白いだろうという予感に満ちていた。期待以上の面白さに反し、読後ふしぎに思ったのは心に残る深い哀しみ。そしてそれが美しい事。

あなたの人生の物語 『あなたの人生の物語』 突飛な状況に現実感を持たすため物理学?系の説明があまりに過多で、理解できない箇所も多かったのだが、その反面主人公が自分の娘に対して語りかける並行部分の文章の方は、埋め合わせのように情感に満ち満ちて…

感想『円』劉慈欣著〜『三体』三部作で、全世界2900万部以上を売り上げた著者の初の短編集。本書収録『円』はSF史に残る傑作短編。『アレクサンドルの蝶』は映像化されそうな程の感動作。『繊維』は超弩級パラレルものでクスッと笑えるユーモア作品。ハズレなしのプラチナ本です。  

〜劉慈欣について。 1963年山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短編を執筆。『三体』が2006年から中国のSF雑誌〈科幻世界〉に連載され、2008年に単行本として刊行されると、人気が爆発。アジア人作家として初めてSF最大…

感想『ユービック』フィリップKディック著~どんでん返しありの傑作SFサスペンス。無類の面白さ&無一文で世界を救う男ジョー・チップのハードボイルド(サイキック)ワンダーランド。

まず結論からいうと、相当面白かった。 著書の『アンドロイドは電気羊の夢をみるのか』を読んだときにも、そのあまりの面白さにぶっ飛んだ記憶があるのだが、今回はそれ以上にぶっ飛んだ。 主人公のジョー・チップは、不活性者(反超能力者)側の検査技師で、…

感想『息吹』テッド・チャン著 ~著者は寡作の王にして当代最高のSF短編作家といえる。デビューから現在までの29年間に出した本は、わずか2冊。全部で18編の中短編しか発表していない。にも関わらずヒューゴー賞、ネビュラ賞、シオドア・スタージョン賞、星雲賞など世界の名だたるSF賞を合計20冠以上も獲得している。これはただ事ではない

17年前に刊行された第一作品集、『あなたの人生の物語』を読んだときも、衝撃を受けたのを覚えている。当時の印象は、とにかく知的だということだ。ひどく洗練されている。SFというジャンルは、出版された時点での社会のテクノロジーの進み具合によって、…

感想『三体Ⅲ』死神永生・上下~人類VS三体人。超絶スケールの大SFここに完結する。

〜あらすじ 全作において一時的に三体文明をしりぞけることに成功した人類。その一方で、極秘のプランが進行していた。 『階梯計画』といわれるこの計画は、三体文明に人間のスパイを一人送り込むという奇想天外なものだった。この不可能とも思えるプロジェ…

書評『三体Ⅱ~黒暗森林上・下』劉慈欣著~傑作!!SF好きなら、いやそうでなくても 読んでおいた方がいい!圧倒的エンターテイメント!特にこの2部!黒暗森林編!!

〜あらすじ 四百数十年後に地球に到達する三体人の大艦隊。 一方人類は、ソフォンによる監視と妨害により、対抗するための科学的発展もままならない。 起死回生の一手をさぐるべく、面壁計画を実行する人類。 計画を託された4人の面壁者のメンバーに葉文傑…

書評『三体Ⅰ』劉慈欣著 ~ 現実を忘れたいなら三体を読もう!SF界のオールタイムベスト確実!

あらすじ(物語冒頭部分) 1967年、文化大革命の糾弾集会で、目の前で父を殺された天体物理学者の葉文傑(よう・ぶんけつ)。自身も迫害を受ける過程のなかで、ひとつの信念がこころのなかに芽生える。 ~人類はみずからを修正できない。外部からの手助け…