- Book Box - 本は宝箱。

SF・幻想文学多めの読書感想サイトです。基本好きな本しか感想書かないので、書いてある本はすべてオススメです。うまくいかない時ほど読書量がふえるという闇の傾向があります。それでも基本読書はたのしい。つれづれと書いていきます。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

幻想文学の名手フリオ・コルタサルのおすすめ短編小説ランキング 10選。

幻想文学の名手フリオ・コルタサルのおすすめ短編小説ランキングです。個人的な選出ですが傑作ぞろいです。ぜひご覧ください。

感想『ナイフ投げ師』スティーブン・ミルハウザー著〜ミルハウザーを好きになることは、吸血鬼に噛まれることに似ていて、いったんその魔法に感染してしまったら、健康を取り戻すことは不可能に近い。(「訳者あとがき」より)

私のなかにある少ない言葉で、本書の魅力を伝えることは非常に困難だ。だけどもこのように素晴らしい本を縁あって読んで、それによって何かを感じることが出来たのだから、曲がりなりにもそのことを、文字として残すことに何かしら意味はあると思いたい。 ス…

感想『精霊たちの家』イザベル・アジェンデ著〜まず三つ。闇の中の光の痰壺。

まず三つ。 ①本書は金銭を目的として書かれたものではない。 ❷わたしたち、読者の身の安全は確保されている。 ③傑作である。 上記の①〜③について、順をおって記載していく。 ①に関しては著者の経歴をみて、本書を読めば明らかである。本書『精霊たちの家』は…

感想『騎士団長殺し』村上春樹著〜注意。村上春樹ファンの方は読まないでください。個人的な村上春樹氏に関するくだらない思い出話です。

※この文章は書評というより私個人の思い出話です。あらすじなど詳しく知りたい方は先行書評に素晴らしいものが多いのでそちらをお読みください。そして本文はあくまで個人的に感じた内容が書かれています。失礼なもの言いや、見当違いのことが書かれていても…

感想『風の歌を聴け』村上春樹著~人はそれぞれ自分だけの喪失を抱えている。何かを得るために、それを失ったのだとしても、失ったものはもう二度と戻ってくることはない。デビュー作にして傑作。21歳にして悟りきっている(僕)の、帰省先での一夏の物語。

あらすじ(本書より抜粋) 1970年の夏、海辺の街に帰省した(僕)は友人の(鼠)とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。 二人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、(僕)の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。 青…

感想『ホテルニューハンプシャー上・下』ジョン・アーヴィング著〜記憶の余命。おれアイオワ・ボブみたいな爺さんになるよ。

わたしの記憶は、誕生した瞬間にすでに晩年である。 まるでカゲロウ。哀れなものだ。 読んだ本にしても同じことで、 もうすでに本書の記憶は死のうとしている。 よってこのおぼろげな雑文は弔辞である。 ホテル・ニューハンプシャーと 生きとし生けるすべて…