- Book Box - 本は宝箱。

SF・幻想文学多めの読書感想サイトです。基本好きな本しか感想書かないので、書いてある本はすべてオススメです。うまくいかない時ほど読書量がふえるという闇の傾向があります。それでも基本読書はたのしい。つれづれと書いていきます。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

書評『三体Ⅰ』劉慈欣著 ~ 現実を忘れたいなら三体を読もう!SF界のオールタイムベスト確実!

あらすじ(物語冒頭部分) 1967年、文化大革命の糾弾集会で、目の前で父を殺された天体物理学者の葉文傑(よう・ぶんけつ)。自身も迫害を受ける過程のなかで、ひとつの信念がこころのなかに芽生える。 ~人類はみずからを修正できない。外部からの手助け…

書評『インスマスの影・クトゥルー神話傑作選』H・P・ラヴクリフト著~ こころのなかに魚顔の悪魔を飼う。

以前から、興味はあったのだ。 悪魔だの地球外生命だの、そんなものはうさんくさい。どうせよくあるような話だろうなと思いつつ、現代の神話とまで呼ばれるこのクトゥルーの一連の物語を読まずに済ませてきた。 べつに、こんなものに手を出さなくても、世の…

書評『本当の自由を手に入れるお金の大学』両学長著 ~「国語・算数・理科・社会・お金」日本の教育がこうなった時にはじめて本当に豊かな社会が出来上がる。そして「お金」の教科書は本書がふさわしい。

あなたは、 「俺(わたし)はこの会社であと何年働いていかなきゃならないんだろうか(悲)?」とか 「週5ってどう考えても働きすぎだろ(怒)!俺は週2くらいがちょうどいいんだ(怒)!」とか 「そもそもなんで働かなきゃいけないんだよ(哀)。おれの仕事は主に二…

書評『キャッチャー・イン・ザ・ライ』JDサリンジャー著 村上春樹訳~繊細でとげとげしい。感傷的でやさしい。ちらばった未研磨の宝石のような日々。すべての大人が魅了される永遠の青春小説の金字塔。時がたち味わいが深くなったドライフルーツ。村上春樹の手にかかれば、それはもう、もぎたてのフルーツに変貌する。彼の訳業は、彼の素晴らしい作品以上にイメージにあふれている。

こうして話を始めるとなると、君はまず最初に、僕がどこで生まれたかとか、どんなみっともない子ども時代を送ったかとか、ぼくが生まれる前に両親が何をしていたかとか、その手のデイヴィッド・カッパーフィールド的なしょうもないことあれこれを知りたがる…

書評『マンガ版ちょっとだけこっそり素早く言い返す技術』ゆうきゆう著~人生の真理がここにある!かわいい猫ちゃんのイラストとは裏腹に、かかれている内容は人間関係に必須。しかも「あ~、それよくあるっ!」て心当たりのある数々。これは是非こどもに読ませたくなる。珠玉の叡知!

例えばあなたは職場で、学校で、家庭で、だれかに嫌なことを言われて、 「あ~、イライラする!あのときこう言ってやれば良かったなあ」なんて思うことはありませんか? 私はしょっちゅうあります! 言われたその場では、ずいぶんおかしなことを言っているな…

書評『科学的にラクして達成する方法』永谷研一著 ほんとうの三日坊主の治し方。

三日坊主は治せる。 そんなことを言われたらあなたはすぐに信じられるだろうか。 明日からダイエットするぞ! 明日から毎日一時間勉強するぞ! 明日から早起きするぞ! そんな決意をわたしたちは一体なんど繰り返してきただろう。 ご多分にもれず私も同じ。…

書評『ノア・ノア〜タヒチ紀行』ゴーギャン著 書かれているが、書かれていない。書かれていないが、書かれている。

素晴らしく薄い本だ。 「これは紛れもなく、旅本だな。」そんな気がして、ジーパンの尻ポケットに入れて先月一人、長野県上高地へ旅行に行った。大正池の脇の遊歩道をぶらぶら歩いていると、目の前を流れる大正池の澄んだ水が、本の中の小川と重なり合う。 …

書評『一個人 落語入門』〜落語の国のハリー・ポッター

落語とは、つまるところ一人芝居だ。 すべての登場人物を、噺家はたった一人で演じ分ける。 ひとつの物語に主人公と、主要人物2~3人。 その他ゆかいな脇役たちが数名。多くて10名ほどの 人物を15分から30分くらいの間で演じ分けることになる。 噺家の…